きょうもようやく一日が終わった。

電話番から商品の出荷と配送の手伝い、さらには先輩営業マンにくっついてお客さんのところに挨拶に行くなどてんてこまいだった。

まだ新人ということでいろいろな仕事をさせてもらっているんだろう。とにかく指示されたことを一生懸命にやるだけだ。

でもこのような状況が一か月以上続いている。

その場その場では賢明に対応しているのだが、

言われることを一生懸命こなしているだけだからか

なんだか消耗しているだけのような感じがする。

お客さんからもらった注文を元に出荷の手伝いをしているので毎日商品を扱ってはいるものの、実際には箱の中を見たことはない。

果たしてどんな商品が箱の中に入っていて、ユーザーはどのように使うのかなどさっぱりわからない。

また、オフィス内で帳票の整理を手伝ってくれと言われ、むずかしそうな数字が並んでいる書類の整理をしているが、その数字やグラフがどんな意味をもっているのかもわかっていないままだ。

商品についても深く勉強しなくてはいけないし、書類の中身も理解しておいた方がよいと思うのだけれど。

この仕事がどんな意味をもっているのかがよくわからないまま、忙しい先輩を手伝っているばかりだ。

所長からは「取扱商品のことを調べて知識を蓄えておくように」と言われてはいるがそんな時間はまったくない。

時間管理の大切さを入社式の社長講和で聞き、そのときはなるほどと思っていたが今のような状態ではそんなことできるわけない。

所長や先輩からあれをやってくれと言われるままに動くだけ。

そして「まだできないのか」と催促され、あわてて仕上げて報告。

報告すると今度はお客さんからの問い合わせ。

問い合わせと言っても多くの場合おいらにはまだきちんど答える知識がないため先輩や所長などへ取次ばかりとなる。

こんな状態でもよいのだろうか。

もっと自分の成長のために時間を使わなくてはいけないのじゃないだろうか。