おいらは亀田丸夫(かめたまるお)。

福島県の学校を卒業して晴れて社会人になりました。

いちおう大学では商学部卒ということなので商売のことはずいぶん勉強してきたつもり。その成果が出るといいのだけれどと思ってます。

晴れて入社したのは東京下町にある金山商会という日用雑貨品の商社です。

そして配属されたのは東葛営業所の業務課だとのこと。

「業務課って何するの?」どんな部門でも「業務」をしているのだから、単なる「業務課」と言われたって「わけわかんない」と内心思いました。

営業所の所長に聞いたところ、どうも電話番らしい。

電話番というと営業所にかかった電話をただ受け付けるだけの簡単な仕事だと思ったところ、ちょっと甘かった。

だってどんな相手から電話がかかってくるかというと、営業所の何百というお客さんからの問い合わせがあり、それにすべて答えなくちゃならない。

当たり前だけど入社したばかりのおいらにはそれができる知識はほとんどないため、「調べてお電話します。」なんていうことがほとんど。

最初はよかったがそれが続くとだんだんくじけそうになった。

「その場では何にも答えられないな」「調べている間にも次の電話がかかってきてどんどん溜まってくばかりだ」「これじゃ注文をさばけないラーメン屋だ」なんてパニックになることもたびたび。

電話をしてくる相手も冷静な人ばかりじゃない。

いきなりえらい剣幕で電話をしてくるお客さんも多い。

注文と違う品物が届けられたとか数が足りないとか、おいらのせいではないのに謝ってばかり。

ついぐちっぽくなりました。

日用雑貨品商社の金山商社、東葛営業所の業務課に配属された亀田丸夫(かめたまるお)です。

北川所長からは毎日優しくも厳しい指導を受けています。

仕事の内容は電話番といっても一日中電話の前にいるわけではありません。

商品の出荷の手伝いもしなくてはならないし、お客さんからの相談にこたえるため、倉庫に入って商品の中身を確認しなくてはなりません。

出先の営業担当者に連絡してお客さんから質問のあったことを伝えなくてはならないので結構たいへんな仕事。

いわば「なんでも屋」の状態です。

入社試験の面接のときは「専攻はなんだったのか?」とずいぶん聞かれたけれど、今のところ専攻は何かなんてまったく関係ない。

大学で勉強してきたことが役立つときがくるのだろうか・・・