ついこないだまで友達とのつきあいしかなかった学生が会社に入り、電話をとるということはかなりプレッシャとなります。
敬語の使い方もまだ慣れていないかもしれず、誰からどんな用事でかかってくるのかわからないコールは恐怖だという人も多いでしょう。
でもビジネスの現場にくればお客さんとのコミュニケーションを避けるわけにはいきません。
いたずらにこわがるのではなく、しっかりと準備をしてせいいっぱいのことをやればあとはどのようになってもいいんだと腹をくくることが大切です。
多くの企業では新入社員研修で一通り電話の受け答えについて教えられるでしょう。
3回のコール以内に受話器をとれだとか、第一声で御礼と会社名などをはっきりと伝えるとか、相手の用件を復唱するとか。
でも実際の現場では台本通りにはいきません。生身の人間が相手なのですから。
アナウンサーが原稿を読むように、明瞭な語り口で内容を整理して話してくれる保証はどこにもありません。
ではどのようなことを心がけていればよいのでしょうか。
当たり前ですが2つのことを心がけましょう。
ひとつは「誰からの電話なのか」ということ。
多くの場合電話をかけてきた相手はまず自分の社名や名前を言うでしょう。
でもいきなり社名を言われてもはっきりと聞き取れないことも多いのではないでしょうか。
相手が早口だったり、こちらの声とかぶってしまったりすれば、相手が誰なのかわからないことが多くなってしまいます。
相手が誰だかわからずに話を進めると最悪です。
会社にはいろいろな立場の人から電話がかかってきます。
お客さんどうしが互いにライバル関係にあることもしょっちゅうです。
間違っても○○さんですか?などと電話相手のライバルの名前を言ってはなりません。
そんなことにならないように、お客様リストを頭に叩き込むなど、どのような人から電話がかかってくるかを知っておくことはたいへん有効です。
精神衛生上もよいでしょう。
これは社外だけでなく社内にどのような組織、部門があり誰がいるかを早い段階で認識しておくことも効果的です。
そしてもう一つ。
電話をかけてきた目的を知ることです。
何かの問い合わせなのか、相談なのかそれともクレームなのか等。
新入社員のうちはその場で答えられずに、調べてから折り返すことも多いでしょう。
その際に相手が希望していたことではないことを応えるなどトンチンカンなことをしてしまうとビジネス上も問題となってしまいます。
そんなことが起こらないように、相手の言うことに落ち着いて耳を傾け、内容を確かめることを心がけましょう。
電話番といってしまうとたいした仕事ではないように感じるかもしれませんがお客様あるいは取引先、そして社内の他部門のこともあるでしょう、そのような外部とのコミュニケーションの窓口ですからたいへん重要な仕事なのです。
相手の言わんとすることに関心をもち、ていねいな言葉遣いを心がけながら傾聴と確認を繰り返せばきっと信頼も得ることができるでしょう。
その時に働きがいも感じるものです・・・